DO.20

まるで海外のようなライフスタイルを実現!東京のブティックホテルの魅力を紹介

2024.4.11

NYとLAでみたブティックホテルの在り方とライフスタイル

海外では主流なレセプションがパブリックスペースやカフェになっているホテル。待ち合わせ場所に使われていたり、海の近くだと裸足でサーファーが朝イチのコーヒーをグラブしにくる姿も珍しくない。ブティックホテルはきっとこんな光景から着想を得て、宿泊者も、そうでない来訪者も、利用するみんながライフスタイルの一環として愛されるホテルにしたい、という想いが込められているように感じる。ホテルだけどそれだけじゃない、パブリックスペースのあるホテルについて紹介したい。

パブリックスペースとは

広義の「public space」とは「公共の空間」であり、例えば公園や学校、駅や病院などみんなが使うものを指す。ホテルにおいてのパブリックスペースというと、一般的にレセプションやロビー、レストラン、大浴場など(「大浴場」については元々日本の文化から来ているが)客室以外の「他の利用者と共有する空間」のことを指す。
海外にいくとホテルのパブリックスペースが、「他の利用者と共有する空間」であるだけでなく、人々がフラっとコーヒーを楽しんだり、待ち合わせ場所にされていたりと、ライフスタイルの一部に組み込まれている光景を目にすることは珍しくない。

アメリカでの「パブリックスペース」での過ごし方 

筆者がNYとLAに行った際、ホテルをいくつか見て回った。全てのホテルに共通していたのは徹底した空間創りであったが、特に心打たれた空間について少し紹介したい。

Arlo SoHo

2階の開放的なコートヤードでは、ダイナミックなミューラルアートを楽しみながらくつろぐことができる。晴れの日には日にあたりながら、夕方にはハッピーアワーでアルコールを嗜みながら、友人との時間を楽しんでいる人々を見かけた。
1FのBodegaではワインや子ども心をくすぐられるスナック菓子がラインナップされているので、そこのスナックを持っていくのもOK。楽しみ方が広がるpublicスペースである。

Ace Hotel downtown

日本に進出したことでエースを知っている日本人は多い。ただ、ロスのエースホテルのパブリックスペースは個人的に壁・床・天井など、空間全体感としてワクワクする創りになっていると感じる。入って左斜めには、ぐるっと囲むカウンターのレセプション、右側にはカフェが併設されている。
高い天井には古書店を連想させる本のディスプレイ、レコードや壁に飾ってあるクロスバイクなど、プロップで空間を作るもの上手。
さらに窓がステンドグラスになってたり、抜け目なく楽しめるポイントが散りばめられている。

そして、こんなに可愛くて面白い落書きが至る所に!(笑)



東京のパブリックスペース

東京でも、トランクホテルが奥渋に日本初上陸した時には大きな反響を呼び、生活の中にブティックホテルを組み込む人が少し増えたように感じる。トランクでは、連日カフェやバーの利用者を多く見かける。

会議やPC作業など、シティライクに利用されている印象のあるトランクホテルとは対照的に、少し下町に行くと蔵前にあるヌイホテルの1Fでは、夜になるとバックパッカーがアルコールを楽しんだり、日中も友人とコーヒーを楽しむ人、読書している人、外を眺めている人、それぞれがそれぞれの楽しみ方でスペースを利用している。

初台にあるART HOTELS SHIBUYAでは、毎朝出来立てのパンとエスプレッソマシンで入れたコーヒーを楽しむことができる。ペットを連れてこられるところも大きな魅力でお散歩がてらちょっとひと息、と立ち寄る地元の方も見受けられる。

今週末はふらっと、特に何をするでもなく、ホテルのパブリックスペースで好きなように気の向くままに過ごしてみてはいかがだろうか。

おわりに

「ホテル」というと本来は宿泊する場所であり、旅の「道具」や「手段」であり、「目的」ではない。海外のスタイルのホテルが日本に少しずつ入ってきたことによって、宿泊目的だけでなく、コーヒーのため、友達と会うため、仕事をするため、本を読むため…と、多目的にホテルを利用できる様になってきている。ホテルを宿泊施設としてではなくもはやコミュニティとして使うことで、NYやLAの暮らしを少し体現できる。皆さんも何気なく立ち寄ってしまうようなホテルを見つけてみてはいかがだろうか。